〜平成9年9月 陸奥新報『やまびこ』掲載 (しゃみケン投稿)

 今年も短い夏に燃えた弘前ねぷた祭り。私が3歳の時から続いている、我が茂森新町ねぷた同好会は、今年で24年連続の出陣。とても充実した。
 まだ小学生の頃は8月が近づくと友達と一緒にねぷた小屋へ通ったし、公民館での笛の講習会では町内のお兄さんたちに可愛がられ、毎年夏休み「ねぷた」が楽しみだった。
 現在同好会の役員で囃子方の担当の私は、3年連続の知事賞を目指し雪解けの頃から笛の練習スケジュールを組んでいた。6月末から、ご近所の迷惑にならないように太鼓を使わずに少しずつ、町内の子供たちに精一杯教えた。昔、私に教えてくれたお兄さんたちのように・・・。
 今年は、7月に東京の「うえの夏まつり」に招待され、子供たちと一緒に大都会の夜空に弘前のねぷた囃子を響かせてきた。早期練習の成果が活かせてとても楽しかった。本番の弘前ねぷたでは、ねぷたが回転して観客の拍手を浴びている時は感激と嬉しさのあまり、涙が浮かんで見送り絵の姿もにじんでしまった。
 20年も経って、こうして少年時代と同じ気持ちで祭りに参加できる自分は本当に幸せである。また、こう感じさせるのが他の祭りにはないところだと思う。少しでも「ねぷた離れ」がゼロに近づくように、この楽しさ、この大切な伝統を、これから大人になっていく子供たちに伝えていきたい。
 これこそ、現代の子供たちにとって必要なものの一つだと感じている。

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